両翼のブログ

できるだけ公平に読み、考えていきたいと思っています。自分は右翼でも左翼でもないと思っています。そもそも右左どうのこうのという類は実にくだらなく、意味のない喧嘩にしか思えません。翼は両方あって初めて飛べるのです。

怒りと憎しみ商売

 2016年11月。日本は今、怒りや憎しみを利用する事で、ビジネスをしたり、自己満足したりするようになった気がする。
 ネットを見ていても、テレビを見ても、ほぼ毎日イラッと来ない日がないような気がする。誰しもが何かしらの敵や悪を作り出し、それを怒り憎しむ事で己を満たしている。
例えば、ネットで関係ない事を調べたり、youtubeを開いてみただけで、「韓国」の話題が目に入ったりする。それら韓国の話題の見出しは、憎悪にあふれているものだ。あなたが韓国が好きであるなら、それに怒りを覚える。嫌いであるなら、憎しみの心で喜ぶ。どちらでもなくとも、良識あれば不快な思いをする。そのイラつきが、次の検索の結果に結び付き、さらに怒るか、己の憎悪を駆り立てる。テレビもそうだ。中国のビルが崩壊したなど、事件を取り扱うというより、娯楽的な雰囲気でテレビで流す。
 今、中学生から議員まで、この敵を作りあげ、怒り憎しむ作業を当たり前のように繰り返す事に恐怖を感じる。そして、敵を攻撃するのがまた、知性のかけらもない暴言ばかり。これが大人の言う言葉かと疑いたくなるものばかり。場合によっては差別用語を日常で使い、立場が悪くなる人もいる。ネットで憎しみをかりたてられ、罵り合う毎日に慣れると、次第にネット以外の世界でもつい使ってしまう良い例だ。憎しみは自分の人生を台無しにする悪魔の種である。
 ただ、何故こうなったか。理解はできる。何故なら怒りや憎しみが手軽に人を惹きつけやすいエンターテイメントだからだ。高尚な習い事や話は時に疲れたり、努力がいる。怒りや憎しみは楽だ。怒りや憎しみという感情ほど湧きあがりやすく、コントロールが難しく、持続しやすく、また再熱しやすいものはないのではない。そして、誰しもがそれを求めて飛びつきやすい麻薬みたいなものだ。怒りを利用すれば、踊ったり、馬鹿な真似をしなくても、自分が注目されたり、ビジネスになる。そのうえ、ねつ造された話もネットのそこらじゅうに転がり、それで互いをまた、ヒートアップできる。そうしている内に、見る方も、毎夜、そういうもので心を怒りで満たすのが習慣になり、自然と寄ってくるようになる。
 一番恥ずべき人達は、憎しみをエンターテイメントとして作り出すモラルのない人だ。若者に政治を啓発するなどと称し、ほぼ憎しみに満ちたものを発信し、それで自己を満たしたり、儲けようとする人間。偽の情報に踊らされ、しかし憎しみで冷静な考えを失い、さらに嘘の情報をばらまく人間。それが場合により悲劇を生む事と、すでに起きた悲劇も自分達が関わっている事を良く自覚するべき。
 この怒り、憎しみビジネスにさらされて嫌な思いをしている人は、時に悔しい事もあるだろうが、差別は心を成長させるきっかけと悟り、離れる方がいい。憎しみを習慣としている人は、その憎しみに満ちた時間が、自分の大切な時間である事に気づかないといけない。その憎しみで費やす時間を誰かの為に使ってみるのはどうか?パソコンに夢中になって、あなたのそばにいる愛する人が寂しさで泣いてないか?愛し合う時間、家族で一緒にいられる時間を怒りや憎しみで消してしまうほど馬鹿な事はない。